ピアノ・ミュージックフェスティバル2018 ファイナル

PIANO MUSIC FESTIVAL 2018 FINAL

2019年3月23日(土)、第一生命ホール(東京都中央区)にて、ローランド・ピアノ・フェスティバル2018ファイナルが開催されました。
メディア予選、そして全国12地区での本選を経て選ばれたファイナリスト36名(小学生部門、中高生部門、一般部門、各12名)が出場し、スペシャル・オーケストラ(指揮:栗田博文氏)と息を合わせた見事なアンサンブルを披露。ファイナリストそれぞれの思いのこもった熱演に、会場からはあたたかな拍手がおくられました。
なお、各部門より最優秀賞・優秀賞1名ずつ、さらに全部門の中から審査員特別賞が2名選出されました。

審査員

[審査員長]渡辺 俊幸氏(作編曲家)
山下 康介氏(作編曲家)
小原 孝氏(ピアニスト)
高橋 多佳子氏(ピアニスト)
唐澤 裕典(ローランド株式会社 RJSカンパニー社長)

ファイナルダイジェスト映像

※PD曲(著作権消滅曲)のみご視聴いただけます。

入賞者コメント

小学生部門

最優秀賞児玉 楽久さん
(関東信越)[銀河鉄道999]

ファイナル出場が決まってから、先生と「課題曲に『銀河鉄道999』があるといいね」と話していたら本当に入っていました。幼稚園の卒園式で歌った大好きな曲なので、すぐに決めました。先生は技術や表現、見せ方など細かく教えてくださいましたが、合格ラインが厳しくて消化するのが大変でした。また本番を想定したレッスンでは、3つの大切なキーワードを教えてくださいました。そのおかげで良い演奏ができたと思います。ファイナル初出場だった昨年は、緊張して練習の成果を発揮できませんでしたが、今回は楽しめました。オーケストラの方々と一緒に演奏できたことは、とても貴重な経験です。入賞の瞬間は、信じられない気持ちとうれしい気持ちと感謝の気持ちと…とても複雑でした!先生や家族、友だちがとても喜んでくれました。将来は、患者さんの心も体も治してあげられるピアノが弾ける医者か、世界で活躍するサッカー選手になりたいです。

優秀賞岩本 智美さん
(北陸)[花のワルツ]

『花のワルツ』は音源を聞いて、私に合っていると感じて選びました。楽譜に色を塗ったり、物語を考えたりしながら楽曲に取り組み、特にオーケストラとの一体感を出すことに気をつけて練習しました。先生にアドバイスいただいた、“オーケストラの音を歌いながらピアノを弾く”という練習がとても難しかったです。本番は「誰よりもオーケストラとのアンサンブルを楽しみたい」という気持ちで臨みました。楽しく気持ちよく弾けましたが、出来栄えは95点くらいだったので、100点の演奏ができるようにがんばります。以前ファイナルに出場したときには審査員特別賞をいただきましたが、今回は優秀賞をいただけたことがとてもうれしかったです。先生や家族に感謝したいです。4月からは中学生になるので、吹奏楽部に入ってフルートに挑戦したいです。

中高生部門

最優秀賞田中 陽菜さん
(九州)[Triste]

『Triste』は、オープニングとエンディングの美しく切ない場面、そして踊りたくなるような楽しい場面に惹かれて選びました。先生はボサノバのノリやシンコペーションなどを熱心に指導してくださり、自分でも原曲や他のボサノバ音楽を聞いて、この曲らしい表現を意識しました。また、オーケストラに負けずに主張したり、息の合った掛け合いができるように練習しました。フェスティバル参加は今回が最後と決めていたので、本番は“とにかく悔いなく楽しもう!”という思いで臨みました。先生が「思いっきり楽しんで!」と送り出してくれたおかげでリラックスして演奏することができ、“音楽の楽しさ”を肌で感じることができました。最優秀賞は「夢なのではないか」と驚きましたが、長年指導してくださった先生や、応援してくれた家族、友だちに感謝を伝えることができました。将来は小学校の教師になって、子ども達と楽しみながら音楽の良さを伝えていきたいです。

優秀賞西口 綾乃さん
(近畿)[3つの前奏曲]

曲の展開がとてもおもしろいと感じたのと、ジャズっぽい曲調で楽しそうだと思い、『3つの前奏曲』を選びました。先生から「同じフレーズの弾き分け、表現の変化について自分なりに考えてみよう」とアドバイスをいただき、強弱やタッチ、音の長さのほか、伴奏から主のメロディーに切り替わる部分を特に気をつけて練習しました。今までにないタイプの曲を選んだので、新鮮な気持ちで本番に臨みました。オーケストラとタイミングを合わせるところが思ったよりスムーズにできて、とても気持ちが良かったです。生の音をとても近くで感じられて、音に包まれている感じが印象に残りました。学校の部活動や勉強などで忙しく練習時間を取るのが大変でしたが、ステージで楽しく演奏でき、入賞も叶ってとても嬉しいです。友だちも自分のことのように喜んでくれました。今後はバンドを組んでイベントに出たり、ジャズの理論をもっと学んでレベルアップにつなげたいです。

審査員特別賞藤田 さくらさん
(関東信越)[歌劇「ローエングリン」より 第3幕への前奏曲]

受験と重なり、思うように練習できるか不安でしたが、「とても華やかで、オーケストラと合わせて弾けたら楽しそう」と思い、『歌劇「ローエングリン」より 第3幕への前奏曲』を選びました。レッスンでは、先生と“音に合った自然な動きをするための研究”をしながら、曲の要所要所でオーケストラと自分のどちらが主役なのかをよく考えて強弱を付けるなどの工夫をしました。滅多にないオーケストラとの演奏機会なので、本番は“とにかく楽しんで弾こう”と思いました。緊張しても絶対に速くならず、オーケストラの音をよく聴きながら弾くことを心がけました。これまでファイナルに3回出場して、3回とも審査員特別賞をいただくことができて、とても嬉しかったですし、「おめでとう」という言葉をたくさんの方からいただきました。これからも、自分が満足するような演奏を目指して練習を重ね、フェスティバルにも挑戦していきたいです。

一般部門

最優秀賞牧野 瑠佳さん
(東京)[When I Fall in Love]

『When I Fall in Love』は、曲の構成や雰囲気がとても好きで、自分の持つ表現力が活かせると思い選びました。他の課題曲より音数が少なかったので、一音一音をどんな音で出したいのかということを意識しました。先生からは「自分の表現を伝えるためには、自分が思っているよりも大きく表現しないと伝わらない」とアドバイスをいただきました。本番では、一番最初の音が抜けてしまい一瞬ヒヤッとしましたが、その後はしっかりと立て直せたと思います。オーケストラとの一体感が生まれるような演奏を心がけ、指揮者の栗田先生を見られるところはしっかり見るようにしました。一般部門への参加は初めてということもあり、賞のことはあまり意識していませんでしたが、最優秀賞に選ばれてとても嬉しかったです。大学では工学部に在籍しています。これから本格的な授業が始まるので、勉強も手を抜かず、ピアノやオルガンに取り組めたらと考えています。

優秀賞燈明 綾さん
(北陸)[Don't You Worry 'bout a Thing]

映画で聞いたとき、とても楽しい気持ちにしてくれた『Don't You Worry 'bout a Thing(くよくよしないで)』は、タイトルも楽観的な私の性格にぴったりだと思って選びました。ポップス特有のノリを出すことを重点的に考えましたが、自分の演奏を聴いて“違う”とは思いながらも、どう違うのかなかなか答えが見つからず、とにかく歌いながら弾くことを繰り返しました。リハーサルで控えめな演奏になってしまったのを反省し、本番は“思い切って自由に演奏しよう”と臨みました。先生にも「派手に暴れるくらいの気持ちで!」と背中を押されました。勢いよくいき過ぎてミスもありましたが、無難に終わってしまうよりもずっと良かったと思います。仕事や家事に追われ、焦りが募って涙することもありましたが、表彰式で舞台に上がった瞬間に、その苦しかった思いも飛んでいきました。周りの人に喜んでもらえたのが何より嬉しかったです。10年以上前に“ファイナルのステージで再会しよう”と約束した人がいます。約束を果たせるように、またフェスティバルに挑戦したいと思います。

審査員特別賞岡田 愛未さん
(北海道)[Be Bop]

『Be Bop』を聴いた瞬間、“この曲が弾きたい”と思い選びました。曲調がとてもカッコ良く、曲の雰囲気がコロコロ変わるので、弾いても聴いても楽しいところが気に入っています。先生には、自分だけが目立たず、オーケストラを目立たせる表現ができるようにご指導いただきました。また、ファイナル初出場で、オーケストラとのアンサンブルも初めてだったので、指揮者のほうを見て演奏する練習もしました。理学療法士の資格取得のため、今回が最後の参加だと決めていたので、本番は“とにかく楽しもう”と思って弾きました。オーケストラとのアンサンブルは、一体感のあるステージにできるように意識して演奏しました。入賞は思いがけない結果で本当に驚きましたが、母が一番喜んでくれて、表彰式中はずっと泣いていたそうです。終わってからも「おめでとう、良かったね」と声をかけてくれました。今後は国家試験を控えて勉強に専念する生活になりますが、ピアノも勉強の息抜きに弾き続け、新しい曲にも挑戦したいと思います。