PIANO MUSIC FESTIVAL 2017 FINAL
2018年3月24日、第一生命ホール(東京都中央区)にて、ローランド・ピアノ・フェスティバル2017ファイナルが開催されました。
昨年の予選、そして全国13 会場の本選から選ばれた代表者たちが集結。夢のステージでスペシャル・オーケストラ(指揮:栗田博文氏)とローランド デジタル・グランドピアノ「V-Piano Grand」で華やかなアンサンブルを繰り広げ、会場を沸かせました。なお、各部門より最優秀賞・優秀賞1名ずつ、さらに全部門の中から審査員特別賞が3名選出されました。
部門 | 賞名 | 氏名(地区) | 演奏曲 |
---|---|---|---|
小学生部門 | 最優秀賞 | 岩井 春奈 (中国四国B) |
きらきら星変奏曲 |
優秀賞 | 堤 萌衣 (北海道) |
ビタースウィート・サンバ | |
中高生部門 | 最優秀賞 | 政木 千優 (神静) |
パリのアメリカ人 |
優秀賞 | 米澤 ゆりや (東北) |
ラベンダーの咲く庭で | |
一般部門 | 最優秀賞 | 宮司 有紀 (東京) |
マトリックス |
優秀賞 | 広部 早久良 (近畿) |
キューバ序曲 | |
審査員特別賞 | 玉野 晴大 (小学生・東京) |
ビタースウィート・サンバ | |
清水 翔天 (中高生・関東信越) |
「レクイエム」より 怒りの日 | ||
小野寺 みなほ (一般・東北) |
フラカナーパ |
(敬称略)
[審査員長]渡辺 俊幸氏(作編曲家)
山下 康介氏(作編曲家)
小原 孝氏(ピアニスト)
高橋 多佳子氏(ピアニスト)
山崎 一彦(ローランド株式会社 上席執行役員/RJSカンパニー社長)
最優秀賞岩井 春奈さん
(中国四国B)[きらきら星変奏曲]
オーケストラとの共演を楽しみにしていました。演奏曲の『きらきら星変奏曲』は、ピアノを習い始めた頃によく弾いていた『きらきら星』を、いろいろなメロディーで演奏できると思い選びました。練習のときはフレーズの作り方やブレスに注意して、先生が弾いてくれるオーケストラのパートの音をよく聴きながら弾きました。ファイナル本番の演奏中に、指揮の栗田先生と目が合ったときに笑顔で合図をしてくださり、私もオーケストラの一員になれた気がしてうれしかったです。とても楽しくて良い演奏ができたし、先生から「今までで一番ステキな演奏だったよ」と言ってもらえただけでうれしかったのに、賞までいただけて夢のようです。先生には感謝の気持ちでいっぱいです。将来の夢は、大好きなディズニー・オン・クラシックのメンバーになって、ピアノやマリンバを演奏することです。
優秀賞堤 萌衣さん
(北海道)[ビタースウィート・サンバ]
『ビタースウィート・サンバ』は、華やかでリズムに乗りやすく、楽しい曲なので選びました。先生からの「抑揚を付けて演奏すると良い」というアドバイスを自分なりに考えて、音符の多いところではメロディーの音をキレイに出して弾けるよう気をつけて練習しました。初めてのファイナルは「今まで練習してきたことをしっかり出し切り、楽しく演奏しよう」という気持ちでした。オーケストラの皆さんとのアンサンブルでは、しっかり音を聴き、合わせて演奏できるように気をつけました。結果発表で名前を呼ばれたときは、とてもうれしかったです!先生が「今まで一生懸命がんばってきて良かったね」とほめてくださり、家族や友だちからも「すごいね」とお祝いの言葉をたくさんいただくことができました。これからも幅広いジャンルの曲に挑戦したいです。
審査員特別賞玉野 晴大さん
(東京)[ビタースウィート・サンバ]
ファイナルは、地区の代表として精一杯の演奏をすること、楽しむことを考えて臨みました。練習ではなかなか弾けるようになれず焦ったこともありましたが、ゆっくりと着実に、良い音を出せるように基本練習を繰り返しました。先生には、会場のスクリーンに映ることも意識して弾くようにとアドバイスをいただきました。本番は、“オーケストラの皆さんと曲を作るのだ”ということを意識して、今のボクにとって精一杯の演奏ができたと思います。結果発表で自分の名前が呼ばれたときは、驚きとうれしさが半々でした。両親からは「最後まで投げ出さずにやり抜いたことが立派だった」とほめてもらえました。練習が辛くてピアノが嫌いになりそうなときもありましたが、オーケストラとのアンサンブルを経験して、“楽しい!”という気持ちを取り戻すことができました。またいつか同じ舞台に上がれるように、これからもがんばって練習していきます。
最優秀賞政木 千優さん
(神静)[パリのアメリカ人]
“一番私らしく、楽しく弾ける曲”と感じて『パリのアメリカ人』を演奏曲に選びました。ゴージャスな雰囲気のところや思いっきりはじけるところなど、曲調がよく変わるので、練習していても、とても楽しい曲でした。本番は「肩の力を抜いて、オーケストラの音をよく聴き、楽しんできてね!」という先生の言葉のおかげでリラックスして臨むことができ、満足のいく演奏ができました。何よりも“楽しかった!”という気持ちが大きかったです。最優秀賞をいただき、会場に来てくれていた音楽教室の友人や、同じ地区の先輩、中学の先生、フェスティバルを通じて知り合った皆さんから声をかけていただき、応援してくれていた方々に最高の恩返しができたと思います。春からは高校の音楽科に進学します。聴く人に感動してもらえるような演奏家を目指し、音楽に関するたくさんのことを学ぶため、大好きなピアノを楽しみながら、精一杯努力する3 年間にしたいです。
優秀賞米澤 ゆりやさん
(東北)[ラベンダーの咲く庭で]
『ラベンダーの咲く庭で』は、とても美しく、クラシックが大好きなので迷わず決めました。会場での音の響きをよく考えて、タッチと音色に気をつけて練習しました。本番が近づくにつれて眠れず、緊張と不安の日々が続きましたが、リハーサルで指揮の栗田先生と打ち合わせがしっかりできたことで緊張も消えて、本番では今まで教わってきたことがどんどん出てきて、完璧な演奏ができました。結果発表ではまさか自分が選ばれるとは思っていませんでしたが、入賞できてとてもうれしかったです。先生も大変喜んでくださり、会場に来ていた方からもお祝いの言葉をかけていただけました。前回の大会では本選に進むことができず、今回は部活でケガに見舞われましたが、工夫して練習を続けて良かったです。高校の看護科に進学し、国家試験に向けてピアノはしばらく休む予定ですが、患者さんの痛みや心をピアノで少しでも和らげてあげられる看護師になれたらと思っています。
審査員特別賞清水 翔天さん
(関東信越)[「レクイエム」より 怒りの日]
『「レクイエム」より 怒りの日』は、自分の好きな曲、自分に合った曲をと思って選びました。とにかく派手で、とても迫力があるところが好きです。オーケストラと音を合わせるため、練習期間は曲の演奏に慣れ、余裕を作れるように、ひたすら弾き込みました。ファイナル本番は「こんな体験はなかなかできない。オーケストラとのアンサンブルという貴重な機会を思う存分楽しもう」と挑みました。“魅せる演奏”をイメージして、派手に弾くことと全力で楽しむことを意識しました。結果発表で名前を呼ばれたときはとてもうれしかったのですが、当時は予想外のことに困惑して、少し頭が回りませんでした。周りの方々からは「おめでとう」とお祝いの言葉をかけてもらえ、家族からは「またがんばろう」と激励されました。2018年度大会も参加したいですし、次はもっと上を目指していきたいです。
最優秀賞宮司 有紀さん
(東京)[マトリックス]
『マトリックス』は、ファイナル課題曲の参考音源を聴いてビビっときて、“この曲でオーケストラとアンサンブルをしたい!”と思い決めました。練習では、難しいリズムを正確に弾くこと、音の出し方やバランスを意識しました。ブルースのところでは、グルーヴ感を感じられる演奏を目指しました。本番は、“オーケストラと一体になり、一緒に演奏し作り上げる”という意識を持って臨みました。緊張して途中まで覚えていませんが、とても楽しんで弾くことができました。学生として最後の一区切りと決めていた大会だったので、入賞はとても嬉しかったです。応援に来てくれた音楽教室の仲間や友人たちが涙を流して喜んでくれ、がんばってよかったなと感じました。先生にもたくさんお世話になったので、最高の形で終えることができて、少しは恩返しができたかなと思います。ピアノは一生の趣味として、これからも楽しんで続けていきたいです。
優秀賞広部 早久良さん
(近畿)[キューバ序曲]
『キューバ序曲』は、オーケストラの華やかさと、キューバ音楽を取り入れた明るく活力のある多彩なリズム、ピアノソロの神秘的な旋律に加え、曲の構成も気に入っています。先生からキューバの音楽やリズムについて教えていただき、練習では裏拍メトロノームなどリズムがずれないよう心がけ、ピアノソロの部分では深い音色が出せるように打鍵を意識しました。本番では、自分の描いていたイメージどおりに演奏できなかった部分もありましたが、オーケストラと一体感を出せるように、それぞれの音を聴いて合わせることを意識できました。ほかの出場者の方たちもノリ良く楽しんで弾いていたので、入賞は「まさか自分が」と驚きましたが、周りのみんなも“おめでとう”と喜んでくれました。アンサンブルが好きなので、次はコンチェルトに挑戦したいです。
審査員特別賞小野寺 みなほさん
(東北)[フラカナーパ]
『フラカナーパ』は、聴いた瞬間に激しさや強さを感じ、この曲なら自分の想いをしっかり込められると思って選びました。メトロノームを使って徐々にペースを上げ、速くて激しいなかでも表現豊かに演奏することを意識しました。先生からは「オーケストラと合わせるとき、頭で考えるのではなく、自然に体が動くような感じで演奏するように」とアドバイスいただきました。生のアンサンブルは初めてでものすごく緊張しましたが、迫力あるすばらしい音を感じながら、心から楽しんで気持ちよく弾くことができました。入賞は信じられない気持ちで動揺しましたが、支えてくださった方々に少しでも恩返しができたと思います。“ピアノを続けられているのは当たり前ではない”と、改めて感謝の気持ちでいっぱいです。今後はさまざまなジャンルに挑戦し、自分の音楽の幅を広げていきたいと思います。またファイナルのステージに立つことができるように成長したいです。