実際の撮影システムはどのようなものでしたか?
過酷な環境で活躍するレンジャーにいかに肉薄できるかが撮影のポイントでした。この条件でも機動力が確保できるということで、エディロールのビデオ・フィールド・レコーダー
F-1とキヤノンのビデオカメラXL-H1の組み合わせを選択。F-1とカメラは、別売されているVマウント・キット
F1-VMKで一体化、6ピンのi-LINKケーブル1本で接続しました。F-1はテープと違い長時間の連続収録ができるので、行動中でも残量が気になりませんでしたね。
撮影機材選択のポイントはどこでしたか?
自分もレンジャー隊長として訓練に参加した経験があり、気象の厳しさも隊員たちの行動の過酷さも知っていましたので、F-1用に用意されているフラッシュメディア(Solid State Drive Unit)
F1-SSD64を記憶媒体として装着しました。SSDはメカレスで回転部分がなく、故障する心配が少ないからです。また、今回は雪山訓練以外にもヘリコプターの飛行訓練や戦車連隊の演習撮影もありました。寒さだけでなく風圧や振動といった悪条件の中で無事収録が行えたのも、このSSDのおかげだと思います。
F-1付属のHDDも役立ったそうですね。
現場ではSSDで4.5時間まで撮影し、付属のHDDにはその撮影データ2回分のバックアップができました。F-1本体にもSSDにもUSB2.0端子があって外部メディアに簡単にコピーできますし、SSD/HDDはリムーバブル・タイプなので運用に自由度がありますね。
厳寒地で使う工夫はありますか?
ニセコの雪山訓練では、北海道特有の変化が激しい気象の中で3日間に渡る撮影を敢行しました。-10℃を下回る屋外ロケの低温対策として自作カバーで保温の工夫をしましたが、大容量のバッテリーを使ってF-1の通電状態を維持したまま撮影を続けるのも運用のポイントだと思いました。
撮影から編集へのワークフローはいかがでしたか?
テープとF-1で同時収録し、テープをバックアップに、F-1のデータを編集に使いました。編集はMacのFinal Cut Pro。テープからキャプチャーすると長い時間がかかりますが、F-1の収録では直接ファイル化されるので、データをMacにコピーするだけ。大幅な効率化に繋がりました。編集に使うファイルはmovですが、シェアウェアの
ClipWrapを使えば、簡単にF-1のm2tファイルをmovに変換することができます。
*ご参考:
F-1編集開始までのワークフロー
撮影制作でのF-1の満足度は?
機材には過酷な環境の中、F-1のおかげでテープ残量など気にすることなく取材に集中できました。編集ワークフローへもスムーズに移行できました。現場の感動を伝える映像制作をモットーとしていますので、それを支えてくれる機材は大切だと思っています。今回、過酷過ぎる現場なのではと心配していましたが、F-1は十分期待に応えてくれました。Ver.2になってさまざまな機能が追加されたように、この自由度のあるシステムも魅力だと思います。