-- まずSP-404SXを使ってみての率直な感想から聞かせてください。
古川:何よりもまず、素材の取り込みが楽ということが、一番大きなポイントですね。これを使い始めるまでは、10年くらい前に買ったSP-808EXをポン出しマシンとしてずっと使っていたんです。僕は、効果音素材集のCDをよく使うんですが、以前はCDから必要な音を選んで、それをオーディオ・ケーブルを接続してサンプリングして、という作業がとにかく大変で。それがSP-404SXなら、パソコンに取り込んであるデータを付属ユーティリティ・ソフトで簡単に取り込めるわけですから、これは画期的ですよね(ポイント1)。しかも、わざわざ本体を持ち歩かなくても、自宅でSDカードに素材を仕込んでおけば、それだけを持って来てスタジオの本体に挿すだけで、もう鳴らせるわけですから。正直に言って、SP-808EXを持ち運ぶためだけに、僕はわざわざ車でスタジオに通っていましたから(笑)。ですから、単純に"記憶メディアがSDカードになった"という以上の使い勝手のよさを感じます。

-- と言うことは、古川さんがポン出しでお使いになる素材は、ワンショット系が多いのですか?
古川:やはりワンショット・サンプルが多いですね。あとは、自分でループを作ってBGMとして使ったり。例えば、トーキング・ヘッズの曲のイントロ部分だけを切り取って、喋っているバックでそれをループで流したりしています。

-- そういったオーディオ素材の編集は、パソコンで行うのですか?
古川:そうですね。でも、ノート・パソコンとSP-404SXを組み合わせても、SP-808EXよりコンパクトだし、軽いですよ(笑)。

-- しかも、電池で使用できますし(笑)。
古川:ポータブルのサンプラーって、それも15年ほど前のローランドのモデル(MS-1)を持っていましたが、ここまでの容量はありませんでしたからね。ほんの数十秒くらいがサンプリングできるというような世界でしたから、隔世の感があります。もちろん、エフェクターなんかはなくて、ただサンプルを再生するだけで。

-- SP-404SXの内蔵エフェクトは利用しますか?
古川:使ってますよ(ポイント3)。この小さいサイズに、よくこれだけの機能が詰まっているな、と感心しますよ(笑)。


内蔵マイク、編集機能、エフェクト搭載。
1台完結の魅力がありますね

-- サウンド・クオリティについてはいかがお感じですか?
古川:業務用のポン出し機と比較しても、まったく問題ないクオリティですよ(ポイント2)。そもそも僕が自分でサンプラーを使い始めたのは、自分で出したい音を、自分のタイミングで鳴らしたかったからなんです。多くの場合は、自分の鳴らしたい音とタイミングをディレクターに説明して、スタジオの業務用サンプラーで鳴らしてもらうんです。でも、自分に任せてもらえるなら、タイミング的にも"ここ!"という瞬間にポン出しできるじゃないですか。自分で鳴らせれば、ディレクターの悪口を言うわけじゃありませんけど、"もうワン・テンポ速く鳴らして欲しかった!"ってことも、なくなりますしね(笑)。最近は、個人レベルでネット・ラジオやコミュニティ放送をやっている方も多いと思いますが、ジングルやBGM を鳴らすのにも、SP-404SXはオススメですよ。

それ以上に、サンプラーって、使ってみると単純に面白いと思うんですよ。僕が最初にサンプラーを買った時に、悪戯でよく使いましたからね。高速道路のパーキング・エリアの音をサンプリングしておいて、それをバックで鳴らしながら「今、道路が渋滞中で」って相手に電話したり(笑)。まあ、それは冗談ですけど、いわゆるミュージシャン的な使い方とは違いますが、実際にこれが机の上にポンと置いてあれば、みんな触っていきますよ。だって、パッドを押せば、好きな音を鳴らせるわけですから。子供だって、犬や猫の鳴き声が鳴れば喜ぶし、そこから音楽が好きになれば、音楽的に使える要素も十分に持ってますしね。一家に1台あると、絶対に楽しいと思いますよ(笑)。しかもSP-404SXは、単体でも録音ができるんですよね?

-- 内蔵マイクも装備していますし、外部マイクを接続して録音することも可能です。
古川:先ほどのパーキング・エリアの話しではありませんが(笑)、内蔵マイクがあって、電池で使うこともできますから、現地の環境音を録る際にも便利ですよね(ポイント5)。それに以前やっていた番組では、僕の祖父の声を録って、それをサンプラーで鳴らすようなこともしていましたから、ダイレクトに録音できるという点はとてもいいと思います。内蔵マイクもあって本体でサンプリングもできるし、スタート・ポイントの設定もできて、SPレコード盤っぽいザラついた質感を出せるVINYL SIMというエフェクトもある。1台完結の魅力がありますね。

-- 「録音」いう意味では、エディロール R-09HR との連携性も優れています(ポイント8)。SP-404SXでフォーマットしたSDカードを使ってR-09HRで録音し、そのSDカードをSP-404SXに挿してインポートを行えば、録音した素材を他の機器を使わずに簡単にパッドに割り当てることができます。
古川:いわゆる"録って出し"が、すぐにできるというのは、すごく便利ですよね。今までなら、録音したものを別の機材で一度編集して、それをさらにサンプラーに取り込むという作業が必要でしたけど、素材の頭(再生スタート・ポイント)さえ合わせれば、すぐに番組で使えるわけですから。

-- 古川さんは、ラジオ番組でこれをどのように活用してみたいですか?
古川:以前にやっていた番組では、トークの代わりにコントを入れていたんです。そこでは、BGMからコントのSE(効果音)まで、すべてサンプラー1台で。オフィスの雑音をBGM的に鳴らして、そこにセロテープを"ビーッ"って剥がす音をポン出しで鳴らして、不倫関係の上司とOLのコントを1人でやったりして(一同爆笑)。

-- ラジオ番組ならではのコントですね(笑)。
古川:ほかにも、いろんなキャラクターの声をサンプリングして、絶対にあり得ないような組み合せで会話させたり(笑)。そうするとね、変なストーリーが生まれるんですよ。結局、サンプラーって中身(音源)が空ですから、自由な発想でいろんな音をサンプリングして、新しいストーリーを生み出せるわけですよ。11月には、番組でSP-404SXをフィーチャーしたコントをやってみたいと考えています。全編これ1台だけで作るコントだったり、面白く使わせていただきますので、放送を楽しみにしておいてください。

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プロフィール
●番組DJ:古川タロヲ
東京都府中出身。構成作家・OAパーソナリティー。プロ・ギタリストとしての活動を経て、MTVの構成作家としてジョージ・ウィリアムズと出会い、パーソナリティーとしても特異な才能発揮する。趣味はTV鑑賞と多種多様なアルバイト経験からの人間観察。現在、InterFMでジョージ・ウィリアムズ、マイク・ロジャースと共に人気番組「BAM!」のDJ を務める。

BAM!

月〜金曜日 21:00〜23:00
ソウル、ロック、パンク、オールディーズ、エレクトリック等、ジャンルレスで一歩先を突っ走る選曲と過激なトークで暴走しまくる超お騒がせプログラム。
■番組HP
http://www.interfm.co.jp/bam/