藤本健のヘッドホン選び、ここがポイント!インナー・イヤー・ヘッドホン編
インナー・イヤー・ヘッドホンとは?
ヘッドホンの基本といえばやはりオーバーヘッド・タイプ。その形状から大口径のドライバー・ユニットを搭載できるため、音質追求の面でも有利なデザインであることは間違いありません。
それに対し、インナー・イヤー・ヘッドホンはなんといってもコンパクトなことが特徴。どこでも音楽を楽しめるデジタル・オーディオ・プレイヤーの標準付属品として普及していることからも、それはわかるでしょう。
インナー・イヤー・ヘッドホンはドライバー・ユニットを内蔵するハウジング部を耳の中に入れるという制約上、音質面ではオーバーヘッド・タイプに比べて不利なことは否めません。しかしそれ以上のメリットがあり、それは装着している姿が目立たないこと。いかにもヘッドホンを付けていますというオーバーヘッド・タイプに対し、インナー・イヤー・ヘッドホンは遠目にはわからないでしょう。好みやシチュエーションにもよりますが、ヘッドホンを目立たせたくないときでも違和感なくモニタリングすることが可能です。たとえばリニアPCMレコーダーを使い屋外で生録を行うときにも、確実にモニタリングできます。
ローランドのインナー・イヤー・ヘッドホンはこのタイプの特徴をそのまま活かしていることはもちろんですが、音楽制作に求められるバランスのよいモニタリング性能を追求。耳栓のようにぴったりとフィットするカナル型なので、大音量のステージ上でも確実にモニターでき、動き回っても外れることはありません。
コンパクトで可搬性に優れるタイプなので、もちろんライブや音楽制作に限らず、デジタル・オーディオ・プレイヤーと組み合わせてもOK。バランスのよい出力特性は、デジタル・オーディオ・プレイヤーの付属品であるリスニング向けのインナー・イヤー・ヘッドホンに比べ、確実に音質も向上します。演奏時だけでなく、どこでも高品位に音楽を楽しみたい人にお勧めです。
製品レビュー
RH-IE3はデジタル楽器やリニアPCMレコーダーでのモニタリングに合わせ、最適な設計が施されたというインナー・イヤー・ヘッドホン。ハウジングは金属製で、丈夫そうなだけでなくいかにもハイクオリティさを感じさせるデザインです。
形状はフィット感の高いカナル型。このタイプは耳へぴったりとフィットしないと音質にも影響が出ますが、付属のイヤーピースは非常にソフトで馴染みのよいもの。サイズもS/M/Lと3種類同梱されています。
音質はオーバーヘッド・タイプのスタジオ・モニター・ヘッドホンと同様に、全域のバランスが優れ、素直に出力するモニター・ヘッドホンらしい傾向。リスニング用のように低音が強すぎることもなく、楽器音を正確にモニターできます。高いフィット感と合わせ、ステージ上でも使えるインナー・イヤー・ヘッドホンです。
ケーブルは1.2mとデジタル・オーディオ・プレイヤーでの使用にもベストなバランス。プレイヤー標準付属のヘッドホンとは異次元の解像感を味わうことができます。ステージ上でのモニター用途には少し短いかと思いきや、1.8mの延長ケーブルと標準プラグへの変換プラグが付属しているところはよく考えられています。またキャリング・ケースも使いやすいデザインですね。

RH-PM5はステージ上での演奏者用モニターとして、外観も音質も新規開発されたというインナー・イヤー・ヘッドホン。金属製のハウジングは堅牢なことはもちろんですが、非常に質感が高いものとなっています。
構造は近年の高級インナー・イヤー・ヘッドホンでは定番となりつつあるバランスド・アーマチュア方式となっています。試聴してみるとモニターらしく、過剰な味付けなしの素直な音質で、また各音の出力と収束が早く、ボーカルやひとつひとつの楽器音を明確に認識できます。バランスド・アーマチュア方式ならではの反応の素早さが体感でき、さらに低/高域の豊かな響き方も印象に残るヘッドホンです。
装着は左右ハウジングのケーブルを上に向け、耳にかけるようになっています。ケーブルが演奏の邪魔にならないよう、演奏者の視点に立ってデザインされていますね。頭の後ろで余ったケーブルも、スライド・チューブでフィットさせることができますので、タッチ・ノイズも発生しません。ソフトな素材感のイヤーピースは4サイズが付属、インナー・イヤーで重要なフィット感を、個人に合わせて調整できます。音質や使いやすいデザインから、ステージ上でのモニター用途にはもちろん、デジタル・オーディオ・プレイヤーでも使ってみたくなるヘッドホンです。

BA-PC15は手ごろな価格設定も嬉しいインナー・イヤー・ヘッドホン。こちらも遮音性に優れるカナル型となっており、大音量が鳴り響くステージ上でも確実なモニタリングができるでしょう。
手ごろな製品とはいえ、イヤーチップは上位モデルと同様に3サイズが付属。装着する人を選ばない、高いフィット感は健在です。本体が非常に軽いこともあり、装着していることを忘れそうなほどです。
音質は基本的には低域から高域までよく出ていますが、特に低音は元気のあるもの。いかにもロック向きといった印象で、弾いていて楽しくなるでしょう。プレイヤーのノリをよくさせることは請け合いです。その意味ではリスニング用途にも向いており、初めてヘッドホンのグレードアップを考えている人にもお勧めできます。
またBA-PC15はBOSSのハンディMTR
MICRO BRとの使用を考慮し、1.5mのギター・ケーブルも付属しています。こちらはOFC線を使用し、プラグも金メッキ仕様とされた本格的なもの。MICRO BRの本格エフェクトを通したギター・サウンドをヘッドホンで楽しみたい人には、1つで2倍嬉しい組み合わせですね。