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イベント・レポート

チェンバロ&チェロ デュオコンサート
〜バロックから現代への旅〜

日時
2009年10月4日(日)17:00開演
会場
ワーナー・マイカル・シネマズ大日 シネマ5
出演
水永牧子(チェンバロ)
水谷川優子(チェロ)
使用楽器
C-30(電子チェンバロ)

電子チェンバロとチェロのデュオ

ワーナー・マイカル・シネマズ大日にて行なわれたローランド・ライブ・イン・シネマ・コンプレックス「ORGAN 3 DAYS !」の3日目、第3ステージは水永牧子さんのチェンバロと水谷川優子さんのチェロによるデュオです。クラシック界で活躍中のお二人ですので、共演を楽しみにしていたお客様は多いことでしょう。
チェンバロにはローランドの電子チェンバロ C-30 が使われます。そしてチェロの音はマイク録りなので、普段ではできない電子楽器と生楽器による新しい挑戦のアンサンブルであると期待できます。
コンサートはサン=サーンスの「白鳥」、「グリーン・スリーヴス」、パッヘルベルの「カノン」と親しみやすい曲で始まりました。水永さんは C-30 をチェンバロの音色だけでなく、ポジティブ・オルガン(古い小型のオルガン)などの音色に切り替えて演奏しますが、どの曲もたいへん美しくチェロと調和します。古楽器であるアコースティックのチェンバロと、現代楽器のチェロとでは音量バランスが取りづらく苦労するというお話がありましたが、今回の映画館での音響システムではそのような問題はまったくありません。

演奏はヘンデルの「私を泣かせて下さい」や、水谷川さんによる無伴奏チェロ組曲1番「プレリュード」、水永さんによるチェンバロ独奏でロワイエの「スキタイ人の行進」と個々のソロ演奏があり、再びアンサンブルに戻り、バロック曲中心で構成された前半を終了します。

チェロとチェンバロの高貴なアンサンブル

チェロとチェンバロの高貴なアンサンブル

後半は映画曲や現代曲を中心に

後半は映画館にちなんで選ばれた曲目が演奏されます。「Wの悲劇」挿入曲であるサティの「ジムノペディ」、ディズニーでおなじみの「星に願いを」、「サウンド・オブ・ミュージック」挿入曲である「私のお気に入り」など、誰もが知っている映画のテーマ音楽が清楚なチェンバロとのびやかなチェロのアンサンブルで奏でられます。
そして二人の丁寧な解説によりピアソラの曲が紹介され、「タンティ・アンニ・プリマ」「リベルタンゴ」らが演奏されました。

チェンバロはさまざまな音色でチェロと調和する

チェンバロはさまざまな音色でチェロと調和する

クラシック・ホールでの演奏会とは異なり、カジュアルなシネコンという場であることもあり、演奏の合間のトークも軽やかでした。慣れない大阪で迷子になる心配をした話や、大日のショッピングセンターの巨大さに驚いた話など、上品な口調ながらも本当に気さくな二人の人柄が伝わる話でした。演奏中の真剣な顔とは打って変わって、二人とも楽しげな明るい顔つきになります。このようなトークを交えた演奏は、厳粛なクラシック・コンサートではなかなか体験することができないので、聴衆と奏者との心の距離がうんと近くなったのではないでしょうか。

二人のトークもシネコン・ライブならでは

二人のトークもシネコン・ライブならでは

最後に二人によってグノーのアヴェ・マリアが奏でられ、すべての演奏が終了しました。今回のプログラムでは、チェンバロとチェロという珍しい組み合わせでした。チェンバロとチェロのアンサンブルのために作られた曲は世間的には少なく、今回のプログラムの中では1曲(ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ)だけでした。にもかかわらず演じられたすべての曲はたいへんバランスよく編曲されており、二人の演奏の呼吸が合っていたので、あたかもこれらの楽器のための作品であるかのようにまとまっていました。チェンバロの歯切れの良い音色とチェロの歌うような音色が見事に調和した素敵な演奏会でした。

そして、3日間9プログラムによるローランド・ライブ・イン・シネマ・コンプレックス大阪会場は全ステージの幕を閉じました。

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