ニュースリリース

2010年11月22日

「第2回エレクトロニクス・アーツ浜松賞」表彰のお知らせ

 電子技術を応用した芸術文化の振興と普及に努めている財団法人ローランド芸術文化振興財団 (理事長:梯 郁太郎 http://www.roland.or.jp//事務局:静岡県浜松市)は、顕彰事業「エレクトロニクス・アーツ浜松賞」の第2回受賞者として、オルガニストのヘクター・オリベラ氏とアコーディオニストのセルジオ・スカッピーニ氏を表彰いたしました。

 この「エレクトロニクス・アーツ浜松賞」は、電子楽器の発展と普及に貢献された、優れた芸術家を奨励し、顕彰する事業として2007年に設け、第1回受賞者には作曲家・編曲家の冨田勲氏を表彰させていただきました。
 このたび、第2回受賞者は、芸術家の中でも特に「演奏者」に視点をあて、さまざまな演奏活動を通じて、電子楽器の発展と普及に貢献された2名を選出いたしました。
 お二方への授賞理由と各氏の受賞コメントは、下記の通りです。

■受賞者(2名): オルガニスト/ ヘクター・オリベラ氏
アコーディオニスト/ セルジオ・スカッピーニ氏

■授賞理由

 両名とも、才能あふれる演奏技術と多彩な演奏活動により、世界中の多くの聴衆を魅了し、電子技術を応用した芸術文化の振興と普及に大きく貢献された。また、電子楽器開発の段階より、アーティストとしての立場から的確なアドバイスを提供し、電子楽器の発展に寄与された。

 ヘクター・オリベラ氏は、パイプオルガン奏者として世界の名高いコンサートホールや教会で、活発に演奏活動をされる一方、電子オルガンにも理解を示し、積極的に演奏に用いることで、オルガン音楽の普及に大きく貢献された。
 この功績を称え、「第2回エレクトロニクス・アーツ浜松賞」の贈呈に至った。

 セルジオ・スカッピーニ氏は、ミラノのジュゼッペ・ヴェルディ音楽院でアコーディオンの常任教授として教鞭を取る傍ら、アコーディオンの電子化という世界初の開発にアーティストとしてアドバイスを提供し、その成功に大きく貢献された。
 世界各地の伝統的なアコーディオン音色を1台で表現できるなど、電子化によってアコーディオンがより身近な楽器となり、またスカッピーニ氏が精力的な演奏活動を続けることで、アコーディオンという楽器のすばらしさを世界中に広めている。
 この功績を称え、「第2回エレクトロニクス・アーツ浜松賞」の贈呈に至った。

■オリベラ氏の受賞コメント:

 この賞を受賞することができ、大変光栄に思っています。
最初のレコードを聴いて以来、私が心から尊敬している第1回目の受賞者 冨田勲氏の仲間となれたことも、とても誇りに思っています。
 私は、生涯にわたって、音楽の分野、中でも電子の分野に貢献するべく尽力してきました。これからも音楽の分野、特に電子音楽の分野において自分の夢を追い求めるとともに、同じ夢を追う方々のお手伝いができるよう邁進していきます。
 このような名誉な賞をくださったローランド芸術文化振興財団の梯理事長に心から感謝いたします。

■スカッピーニ氏の受賞コメント:

 ヨーロッパでポピュラーなアコーディオンを世界中に広めるため、その電子化の開発に携わることができ本当に光栄に思います。
 7 年前、ローランドが電子アコーディオンの開発に協力を求めてきたとき、すぐに“これは未来の楽器になる”と直感しました。
 このような名誉な賞をいただけるなど想像すらしていませんでしたが、この賞によってこれまでの私の取り組みが認められ、大変嬉しく思っています。
 梯理事長をはじめ、ローランドの皆さん、そして、私をサポートしてくれた家族や友人にも心から感謝したいと思います。
 「エレクトロニクス・アーツ浜松賞」は、私が今までいただいた賞の中で間違いなく一番すばらしい賞です。みんなでこの喜びを分かち合いたいと思います。ありがとうございました。

◇ ◇ ◇

 受賞された両名には、当財団より、顕彰金として100万円ずつが贈られます。
当財団では、毎年当賞の受賞対象者の選考会を実施し、該当する方がいらっしゃれば表彰していく方向です。

受賞者略歴

Hector Olivera (ヘクター・オリベラ)

Hector Olivera (ヘクター・オリベラ)

 アルゼンチン生まれ。最初の師である父親に、3歳でパイプオルガンを習い、その2年後カトリック教会のオルガン奏者に任命される。
 6歳にしてブエノスアイレス音楽院に入学。9歳までにはそこで即興演奏技術を習得しはじめ、オーボエと弦楽団のための組曲を作曲し、ブエノスアイレス交響楽団によって演奏される。
 12歳でブエノスアイレス大学へ入学。18歳で彼の演奏がラジオやテレビでも放送されるようになる。

 1965年、ニューヨークの名門ジュリアード音楽院からの奨学金を受け、アメリカへ移住。3年後、アメリカオルガニスト協会主催の全米即興コンテストで優勝。これを機に、プロとしてコンサートキャリアを開始。

  アメリカ国内はもとよりヨーロッパ、オーストラリア、日本など、広く海を越えて演奏経験を持つ。
 クラシックからポピュラー、映画音楽まで、幅広いジャンルを独自の音楽解釈で完璧に弾きこなすオルガニストとして、高い評価を得ている。今までにリリースしたCDやDVDは30枚以上に及ぶ。
 熟練された演奏テクニックに定評があるのはもちろんのこと、才能あるれる情熱的な演奏で聴衆を楽しませている。

Sergio Scappini (セルジオ・スカッピーニ)

Sergio Scappini (セルジオ・スカッピーニ)

 イタリア生まれ。アコーディオン、ピアノ、作曲をEmanuele Spantaconi、 Anita Porrini、 Bruno Bettinelliに師事。第24回C.M.A(Confederation Mondial de l' Accordeon)での優勝をはじめ、国内外の数々のアコーディオンコンクールで受賞。ソロとしての活動のほか、室内楽団やオーケストラのメンバーとしても活躍。
 欧州全域での演奏ツアーに多忙を極める傍ら、TVやラジオ番組への楽曲提供や多方面に渡るアーティストとの共演もこなす。
 偉大なアコーディオニストLuciano Fancelli没後50年のメモリアルとして音楽院の卒業生グループ“Sinequanon-Akkordeonensemble”と製作したCDの芸術監督を務める。

 現在はミラノのジュゼッペ・ヴェルディ音楽院で常任教授として教鞭を取り、教育者としても高い評価を得ながら、アコーディオンの普及に努めている。

この資料に関するお問い合わせ先

財団法人ローランド芸術文化振興財団
〒431-1304 静岡県浜松市北区細江町中川2036-1
TEL: 053-523-0415

※本ニュースリリースに記載されている社名などの固有名詞は、各社の登録商標または商標です。

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