ニュースリリース

2009年1月27日

ピアノ音楽に新たな可能性を広げるデジタル・ピアノ 「V-Piano」発売 新音源搭載により、銘機の極上サウンドから、物理的な制約を受けない全く新しいピアノ・サウンドまで実現

 ローランド(株) (社長:田中 英一 http://www.roland.co.jp/ 資本金:92億74百万円)は、弦、ハンマー、響板、ダンパー、共鳴音など、ピアノ音を構成する要素の複雑な相互干渉を再現して豊かな響きをつくる新音源方式を採用し、ビンテージ・ピアノの音色を蘇らせたり、これまでにない斬新なピアノ・サウンドを生み出すことのできるデジタル・ピアノ『V-Piano』を、 3月下旬から発売します。

V-Piano

 従来のデジタル・ピアノの音源は、アコースティック・ピアノそのものを録音して内蔵するという「サンプリング方式」が使用されてきました。新製品「V-Piano」では、アコースティック・グランドピアノのようにハンマーが弦を叩いて駒からフレーム、そして響板へと音が広がるというプロセスを再現した全く新しい音源方式を採用、内部に仮想的なピアノを作り上げています。それにより、鍵盤タッチの強弱に応じた音色変化も段階なく極めてスムーズ、減衰音も美しく伸びて自然に消えていくなど、アコースティック・ピアノ特有の複雑な響きや微妙な音色変化を再現することが可能となりました。こうしたV-Pianoの音楽的表現力を余すことなく引き出すために、鍵盤も新開発のPHAIII アイボリー・フィール鍵盤を搭載しています。

弦の調律  さらに、「V-Piano」では、演奏者自らが、調律師のようにアコースティック・ピアノと同様の感覚でチューニングや整音調整を行えます。音楽ジャンルや曲想のままに、ステージで幾つものアコースティック・ピアノを弾き分ける。この夢のようなリクエストにも、V-Piano なら応えることができます。

 そして「V-Piano」には、世界の銘機と呼ばれるアコースティック・ピアノを忠実に再現する「Vintage」(ビンテージ)ピアノ・モデルと、全弦巻弦、高張力による長い弦、低音弦の3本化など、アコースティック・ピアノでは物理的制約で実現できなかった理想的なピアノ音を実現する「Vanguard」(バンガード)ピアノ・モデルを搭載。まさにピアノ音楽に新たな可能性を拓く画期的なピアノです。

● “Vintage” ピアノ・モデル─往年の銘機のサウンドを最高のコンディションで蘇らせる

世界の銘機と呼ばれるアコースティック・ピアノの音色を忠実に再現。複数弦の微妙なチューニングやハンマーの硬さ、様々な共鳴音の調整など、極上サウンドを当社最新の技術を駆使して蘇らせました。歴史的なアンティーク・ピアノからモダンなコンサート・グランドピアノまで、そのサウンド・バリエーションの可能性は実に多彩です。

● ”Vanguard” ピアノ・モデル─これまでにない斬新なピアノ・サウンドをつくる

通常、アコースティック・ピアノの低音域は1〜2本の銅巻弦、中〜高音域はスチール弦を張っていますが、「V-Piano」は、全音域すべての弦を3本の銅巻弦とし、重厚な低音が印象的なピアノ・モデルを持っています。また、銅ではなく、重くしなやかな銀の巻線を張ったピアノ・モデルもあり、現実では不可能な”伸びが良くきらびやかなピアノ音”を奏でることもできます。

  “Vintage=極上”と“Vanguard=先駆者”、ふたつのVの意味を持つ「V-Piano」は、往年の銘機の極上サウンドから、先進的なピアノ・サウンドまでを楽しめ、これまでにない表現力を兼ね備えた全く新しいデジタル・ピアノです。

品名/品番 価格 発売日 初年度販売予定数
(国内・海外含む)
Digital Piano
V-Piano
オープン価格 2009年3月下旬 2,500台
V-Piano

詳細

● ピアノ・コンポーネント・ベースの新音源を搭載

 鍵盤を叩くと、フレームに張られた金属弦をハンマーが打ち、その音は他の弦も共鳴させながら、駒から響板へと伝わり、ピアノ各部やホールに豊潤に響きわたっていく─。これがアコースティック・ピアノの発音プロセスです。V-Pianoの開発もこの発音プロセスが基本でした。弦、ハンマー、響板、ダンパーなど、ピアノ音を生みだす各コンポーネントの複雑な相互干渉を再現。アコースティック・ピアノの発音原理をベースにローランドのデジタル信号処理技術が豊かなピアノ音を忠実に創成します。
  このV-Pianoの高度な音楽表現力は、ひとつの鍵盤を弾くだけでもわかります。サンプリング方式のような鍵盤タッチの強弱による音色変化の段階感や、減衰音のループ感が原理的にありません。高度な演奏に応える、複雑で美しい音の響き、指先で千変万化に音を操れるしなやかな音楽性。V-Pianoは、生きているピアノならではの表現力です。
  さらに、V-Pianoは発音方式にも新しい発想を用い、従来の最大同時発音数ではなく最大発音仮想弦数という考え方を採用。最大264弦による独立した弦の響きでピアノ・サウンドを構成しています。

● “Vintage”を再現。往年の銘機のサウンドが蘇る。

 V-Pianoは、往年のビンテージ・ピアノの音色を忠実に再現。熟練のサウンド・デザイナーがV-Pianoならではのピアノ・ボイシング・パラメーターをフルに使って音に磨きをかけました。音の調整は、複数弦の微妙なチューニングや、ハンマーの硬さ、さまざまな共鳴音の調整など、まさに実際のアコースティック・ピアノで音を磨き込むプロセスそのものです。こうして作られたVintage Pianoモデルのサウンド・バリエーションの可能性は、歴史的なアンティーク・ピアノからモダンなコンサート・グランドピアノまで多彩に広がります。
  また、ピアノ・コンポーネントをベースにした音源を持つV-Pianoでは、わかりやすいパラメーターの数々により、ピアニスト自らが多彩なピアノ音を創造できます。ピアノ独特の弦、フレーム、響板、ケースなどの複雑な相互干渉による響きも自在にコントロールすることが可能。音楽ジャンルや曲想のままに、ステージで幾つものアコースティック・ピアノを弾き分ける。この夢のようなリクエストにも、V-Pianoなら応えることができます。

● “Vanguard”に創造。新しい発想でデザインしたピアノを搭載。

 さらに、V-Pianoはアコースティック・ピアノ本来のサウンドを大切にしながらも、物理的な制約を受けない新たな発想でデザインした、これまでにないピアノ・モデルをも搭載しています。 “Vintage”と“Vanguard”、この2つの異なるコンセプトを高次元で融合したことがV-Pianoの最大の特長です。Vanguard Pianoモデルの一例をご紹介します。

銅巻弦 すべての弦が銅巻線で、低音域までも3本弦構成のトリプル弦を張ったピアノ・モデル
  通常のピアノの低音弦は銅の巻き弦、中高音域はスチール弦です。そのため、鍵域によって微妙に音色が異なります。また一鍵あたり3本構成のトリプル弦が張られていますが、低音域は1本の太い巻き弦です。そこでV-Pianoでは、すべての弦を銅の巻き弦とし、すべてにトリプル弦を張ったモデルを創造。全音域でナチュラルに音色がつながり、トリプル弦ならではの重厚で深い低音を持ったピアノが誕生しました。
 しかもV-Pianoのピアノ・ボイシング・パラメーターは、特定の音や鍵域ごとに設定が可能。たとえば、低音部分だけ、トリプル弦を構成する3本のユニゾン・チューニングのピッチを若干ずらし、低音の響きをさらに豊かにすることもできます。

シルバー巻弦 全弦シルバー巻線のピアノ、ペダルを使った音色コントロールによる新たな演奏表現
 これもVanguard Pianoの創造力を象徴するピアノ・モデルです。弦の素材を銅より重く、柔軟な材質である銀製の弦に。しかも全弦が3本構成のトリプル弦。銅より重くしなやかな銀に対応するために、ハンマーも大きくて重いものを想定。このようなドリーム・ピアノもV-Pianoなら実現することができます。
  音の伸びがよく、きらびやかなキャラクター、まさにこれまでにないピアノ音です。しかも、たとえば弦のきらびやかさをコントロールするクロス・レゾナンスなどのパラメーターをペダルにアサインし、ステージ上などでリアル・タイムに音色を変化させる演奏表現も可能。曲調に合わせてピアノをダイレクトに調音でき、ピアノ演奏に新たな可能性を拓くV-Pianoです。

● 究極のサウンドにマッチする優れた演奏感

 V-Pianoは、専用に新開発したPHAV(プログレッシブ・ハンマー・アクションV)鍵盤を採用。最高のサウンド・ポテンシャルを十分に発揮できるよう、鍵盤部にもこだわり設計されています。
  V-Pianoのために新開発された鍵盤は、弾き心地の良さはもちろんのこと、演奏を音源へ正確に伝える重要な役割を持つセンサー部も大幅に強化。連打や演奏の微妙な違いも緻密に検出し、音の変化として表現することができます。音源にマッチした専用鍵盤により、ソフトウェア・シンセサイザーなどでは得ることができない、ハードウェア一体型ならではのアドバンテージを活かした優れた演奏感を実現します。
  また、鍵盤はローランドピアノ・デジタルなどで好評のアイボリー・フィール仕様。白鍵は象牙の、黒鍵は黒檀の指触りや見た目を再現しています。吸湿性にも優れ、高品位で快適なタッチを約束します。
  そして、グランドピアノを弾いたときに感じる特有のクリック感をしっかりと再現する、エスケープメント機構も搭載しています。鍵盤をゆっくり押さえると、途中で抵抗感が増してからすっと軽くなるクリック感。繊細なピアニシモを演奏するときの手がかりにもなる鍵盤の大切な合図も、V-Pianoは確実に再現しています。

ハンマーの硬さを調節● スムーズな演奏をサポートするシンプルな操作性

 V-Pianoは、直感的なコントロールが行えるシンプルな操作パネルを採用。つまみやスイッチ類は最小限に抑え、よりピアノ演奏に集中することができます。
 音色のカスタマイズは本体のみでもちろん完結、さらに専用のPCエディターを使用することで、よりスピーディなコントロールが可能。グラフィカルな画面を使ってチューニングをしたり、ハンマーの硬さを変えたりと、誰にでも分かりやすい音づくりが行えます。

● ピアノ専用の新開発アンビエンス

 最高のサウンドを心地よい響きで。空間を意識したピアノ専用のアンビエンスを搭載しました。ホールやスタジオなど12種類を内蔵。フロント・パネル上の[AMBIENCE]つまみで、臨場感あふれる音を自在に演出できます。

● 多彩なアウトプット端子を装備

 V-Pianoはさまざまなニーズに対応できるようアウトプット端子も充実。アウトプットは独立したステレオ2系統(標準フォーン/XLRをそれぞれ装備)を搭載しているので、例えばアンビエンスだけを別に出力するなど、ライブ・ステージでのPAへの出力や、スタジオでのレコーディングにも柔軟な対応が可能です。

● USBメモリーを使ってSMFデータやオーディオ・ファイルの再生をサポート

 V-Pianoは、高品位なピアノ・サウンドとともに、練習やライブ演奏で役立つ機能も搭載しています。本体には演奏を録音できるシーケンサーを内蔵。自分の演奏を確認したい時などにスピーディな記録が行えるので、練習などに役立ちます。
  また、ピアノ・パートとは独立したGM2対応の音源を搭載。USBポートからSMFを直接読み込んで再生することが可能です。さらに、オーディオ・ファイルを読み込んで再生させるプレイヤー機能も装備。ライブ・ステージなどでのバック・トラックの再生などに威力を発揮します。

仕様

詳しい仕様につきましては、ローランド・ホームページでご確認ください。
http://www.roland.co.jp/products/V-Piano/

※製品の仕様およびデザインは改良のため予告なく変更することがあります。
※本ニュースリリースに記載されている社名、製品名などの固有名詞は、各社の登録商標または商標です。

この資料に関するお問い合わせ先

ローランド株式会社 お客様相談センター
TEL: 050-3101-2555

 

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