2008年3月10日
ローランド(株) (社長:田中 英一 http://www.roland.co.jp/ 資本金:92億74百万円)は、チェンバロ本来の繊細な音の響きやタッチを大切にしながら、デジタルならではの演奏性や機能性を兼ね備えた新世代のチェンバロ『ローランド・クラシック・シリーズ 電子チェンバロ C-30』を3月19日(水)から発売します。
品名/品番 | 商品価格 | 発売日 | 初年度販売予定数 (国内・海外含む) |
電子チェンバロC-30 | オープン価格 | 2008年3月19日 | 600台 |
●モダンインテリアにも調和するシンプルで美しいデザイン
バージナルと呼ばれる角型のチェンバロをモチーフにしたC-30は、小さなスペースに設置可能。フラットでシンプルなフォルム、マホガニー杢調仕上げのキャビネットは、どんなインテリアにも溶け込みます。鍵盤蓋内側の絵(ピクチャー・ボード)とスタンド両側のステンドグラス風パネル(デコレーション・パネル)はオプションもご用意。お好みの外観にカスタマイズすることも可能です。
●チェンバロの演奏性を徹底追求した繊細な鍵盤タッチ
チェンバロの弦を爪ではじく感覚を繊細に再現した新開発のチェンバロ専用鍵盤を採用。アコースティック・チェンバロと同様、黒鍵の先端の形状やフラットな天面などを再現したほか、非常に軽いタッチや、鍵盤を押し込んだ時の深さ、押し切った時の柔らかな感触、鍵盤を離した時の特有の余韻など、細部にまでこだわりぬいた鍵盤です。
●微妙なタッチや演奏表現の違いを再現する新開発の専用音源
演奏者のタッチやアーティキュレーションの違いを忠実に反映できるチェンバロ専用音源を新開発。タッチの速さや重さの違い、レガート奏法での音のつながり、鍵盤を押した時、離した時のチェンバロ独特のノイズ成分まで表現できます。バロック時代の音楽などを体感できるフレンチ・タイプ、フレミッシュ・タイプの2種類のチェンバロ音色のほか、2種類の小型のポジティブ・オルガン、ロマン派の時代に使われたフォルテピアノ、愛らしい響きのチェレスタの音色を内蔵しています。
●調律不要、いつでもどこでも安定した演奏が可能
チェンバロは本来チューニングに気を遣うデリケートな楽器ですが、C-30はデジタルですので調律は不要。古典楽器のピッチであるバロック・ピッチ(415Hz)やベルサイユ・ピッチ(392Hz)にも対応。他の楽器とのアンサンブルの際、他の楽器に合わせて特殊なピッチに微調整も可能です。温度や湿度、持ち運びなどによるピッチの狂いもありません。
●5種類の調律法をボタンひとつで切り替え可能
平均律に加え、ベルクマイスター、キルンベルガー、バロッティ、ミーントーンの5種類の調律法に対応。ボタンひとつで、演奏曲ごとに調律法を切り替えられます。
ピアノの祖先とも言われるチェンバロは、弦をはじくことで音を出す鍵盤楽器。チェンバロはドイツ語あるいはイタリア語で、英語ではハープシコード、フランス語ではクラブサンと呼ばれます。14〜15世紀のヨーロッパで発達し、18世紀以降に現在の形のピアノが登場するまでは、鍵盤楽器の主役の座をパイプ・オルガンと二分していた楽器です。その音色は非常に繊細で美しく、他の楽器の音ともきれいに溶け合うため、ソロ演奏はもちろん、さまざまな楽器や歌の伴奏、さらに器楽アンサンブルなどにも広く用いられました。20世紀になってチェンバロは、16〜18世紀の音楽作品を演奏するために再び脚光を浴びるようになり、今もなお人々を魅了し続けています。
また、チェンバロには国や時代によってさまざまな種類があり、伝統あるチェンバロのキャビネットや鍵盤などを調べてみると、一台一台それぞれが非常に個性豊か。鍵盤のサイズや鍵盤数など標準的な形式はありません。
このようにチェンバロは非常に魅力的な楽器ですが、設置スペースや価格の問題、演奏のたびに自分で調律が必要で、温度や湿度に影響されやすくこまめなメンテナンスが必要なため、なかなか気軽に楽しめる楽器ではありません。また、一音ごとの音の強弱があまりつけられず音も小さいという特徴があり、バロック以外の音楽で使われることが少なく、実際に目にしたり演奏を聴いたりできる機会がほとんどなくなっているのが実状です。
電子チェンバロ C-30は、本格的な音やタッチ、外観などといったチェンバロの魅力はそのままに、電子ピアノのような気軽さで楽しめ、しかもデジタルならではの利便性や機能性を実現しています。チェンバロ愛好家の方はもちろん、ピアノ演奏に慣れ親しんでいる方でチェンバロをはじめてみたい方、さらには人とは違った楽器にチャレンジしてみたい方に、C-30は最適です。今の時代の要求にマッチした、クラシカルでありながらも現代の感性を吹き込んだ新しい楽器が、この電子チェンバロ C-30です。
●いにしえの音楽を体感できる豊かな音色
フレンチ・タイプ、フレミッシュ・タイプの2種類のチェンバロ音色を内蔵。各チェンバロ音色には8フィートT(バック)、8フィートU(フロント)、4フィート(オクターブ上)、リュート(バフミュート)の4つのボタンをそなえ、単独もしくは2段鍵盤のチェンバロのように重ねて演奏することができます。また、2種類の小型のポジティブ・オルガン*注1、ロマン派の時代に使われていたフォルテピアノ*注2、愛らしい響きのチェレスタ*注3の音色も内蔵しています。
*注1: | 移動可能なパイプ・オルガン |
*注2: | チェンバロ同様の木のフレーム構造にハンマーで弦をたたく仕組みを入れた初期のピアノの総称。 現代のピアノに比べて、音も小さく鍵盤数も少ないが、独特の味わいのある音色が魅力で、モーツアルトやベートーベンが演奏していた時代のピアノ。 |
*注3: | 鉄琴を鍵盤でたたく構造の楽器 |
●音楽表現に新境地を拓く「ダイナミック・ハープシコード」音色
チェンバロ本来の繊細な音色の魅力はそのままに、強弱をつけた演奏や、ダンパー・ペダルを使った響きのコントロールやレガート奏法など、これまでにない新しい演奏をかなえるデジタルならではの「ダイナミック・ハープシコード」の音色を搭載。古典的なチェンバロが新しい音楽の可能性をひろげ、演奏者の想像力を引き出す音色です。
●コンパクト・軽量で、持ち運びも簡単
C-30はコンパクトなサイズに加え、本体とスタンドを分離することが可能。本体は25kg、スタンドは13kgと軽量なので、コンサート会場への持ち込みの際などに便利です。
●デジタルならではの機能
・ | 音量調節可能なので、リコーダーはもちろん、音量の大きめのモダンフルートやバイオリンとなど現代楽器と調和のとれた美しいアンサンブルが楽しめます。 |
・ | リバーブつまみを装備、中ホールや教会、サロンで演奏しているような美しい残響をつけられます。 |
・ | トーンつまみで、音の明るさを調整できます。 |
・ | 付属のペダルで2つの音色セットを切り替えられ、2段鍵盤のチェンバロのようにフレーズごとに弦の組み合わせを変えたり、2種類の違う楽器の音色で演奏したりできます。 |
電子チェンバロ C-30 | ||
鍵盤 | 鍵盤 | 61鍵(Fスケール、重り、クリック・タッチ付き、チェンバロ専用鍵盤) |
音源 | 最大同時発音数 | 128音 |
音色ボタン | 6個/チェンバロ(8フィートT、8フィートU、4フィート、リュート)、チェンバロ・タイプは4種類搭載 (フレンチ・タイプ、フレミッシュ・タイプ、フォルテピアノ、ダイナミック・ハープシコード)、オルガンT、オルガンU/チェレスタ(オルガンUとチェレスタは切り替え) | |
エフェクト | リバーブ | |
コントロール | ボリュームつまみ、リバーブつまみ(残響調整)、トーンつまみ(音質調整) | |
キー・トランスポーズ | -6〜+5(半音単位) | |
音律 | 5種類(平均律、ベルクマイスター、キルンベルガー、バロッティ、ミーントーン) | |
バロック・ピッチ | 415Hz(392Hz:ベルサイユ・ピッチも可能) | |
マスター・チューン | +/- 50セント(つまみ調整) | |
その他 | ペダル(付属) | ダンパー/音色切り替え |
スピーカー | 12cm×2、 8cm×2 | |
定格出力 | 13W×2 | |
接続端子 | ヘッドホン端子:ステレオ標準タイプ アウトプット端子(L/Mono、R)標準タイプ インプット端子(L/Mono、R):標準タイプ MIDI端子(In、Out) ペダル端子 AC アダプター端子 |
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電源 | AC100V(50Hz/60Hz) | |
消費電力 | 25W | |
外装仕上げ | マホガニー杢調仕上げ | |
外形寸法 (専用スタンド込み) |
[蓋閉め時]1,100(幅)×380(奥行)×830(高さ)mm [蓋開け時]1,100(幅)×450(奥行)×1,170(高さ)mm |
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質量 (専用スタンド込み) |
25kg(本体)+13kg(スタンド)=計38kg | |
付属品 | 取扱説明書、クイック・マニュアル、ACアダプター、電源コード、譜面立て、ダンパー・ペダル(DP-10)、ピクチャー・ボード(天使)、デコレーション・パネル(シンメトリー)、楽譜(オリジナル曲2曲)、保証書 | |
別売品 | 専用固定椅子 BNC-29(税込価格18,000円、商品価格17,142円)、ピクチャー・ボード(OP-C30PBシリーズ、税込価格12,000円、商品価格11,430円)、デコレーション・パネル(OP-C30DPシリーズ、税込価格5,000円、商品価格4,762円)、ヘッドホン |
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