見る、聴く、弾く、という音楽の楽しさを満喫できるローランド・冬の恒例イベント『サウンドスパーク』。その会場を熱くしてくれるのが、国内外からこの日のために集まったプロ・ミュージシャンによる迫力のライブ・ステージだ。他では絶対見られない『サウンド・スパーク』だけの超豪華なスペシャル・セッションの様子をレポートしよう!
 
     
 

のっけから会場をヒートアップさせてくれたのが、ルーク篁(ex.聖飢魔II)氏とスーパー・ベーシストMASAKI氏によるスペシャル・セッションだ。この日は、急遽参加が決定した五十嵐公太(ex.JUDY AND MARY)氏がV-Drumsで参戦。観客でぎっしりと詰ったフロアに怒涛のロック・サウンドが響き渡った。

ルーク篁氏は、GT-PROでラウドなギターの歪みを聴かせ、「ボスは生まれたときから使っている(笑)」というMASAKI氏は、ME-50Bで多彩なベース・サウンドを炸裂させる。ルーク篁氏がライトハンドを披露すれば、負けじとMASAKI氏もベースのライトハンドで対抗するなど、まさに怒涛のバトルが繰り広げられた。そんな二人に呼応するかのように、V-Drumsでハードヒットなビートを刻む五十嵐氏は、ライドでボコーダー・サウンド、クラッシュでシンセ・サウンドを奏でるといったトリッキーなドラミングを行い、観客に強烈なインパクトを与えていた。

 
     
 

MC Clubの連載でもお馴染みの井桁学氏による"SONARセミナー『MEET THE SONAR5 TOUR』サウンド・スパーク特別編"が、サブ・ステージで開催された。

ステージに用意されたシステムは、最新DAWソフトSONAR5と、ハイ・レベルなホーム・レコーディング環境を構築できるオーディオ・インターフェイスUA-101。これらを使って、バッキング・トラックの作成から、ギターの録音まで、レコーディングの手順がわかりやすく解説された。特に、自由度の高いボーカル編集が行える新機能V-Vocalは注目の的で、その手軽さと高度な編集機能の説明に、多くの観客が興味深々といった様子で耳を傾けていた。

 
     
 

サブステージでは、アコーディオン奏者の長坂憲道氏とデジタル打楽器奏者・鈴木正樹氏によるデモンストレーション・ライブが行われた。バンド・サウンドとはひと味違う、愉快で楽しいフレンドリーなセッションに、幅広い年齢層の観客が足を止めて聴き入っていた。

長坂氏は、電池駆動に対応し小型/軽量化されたVアコーディオンFR-3を使用。伝統的な音色での演奏に続いて、Vアコーディオンならではの魅力をアピール。オーケストラ楽器の音色を取り入れたユニークな演奏が行われると、「なんでアコーディオンからフルートの音が?」と多く来場者から驚きの声が上がっていた。一方の鈴木氏は、HandSonic 10の10分割パッドを見事に使い分け、会場を唸らせた。指先でフルセット・ドラムのビートを奏でながら、瞬時に音色を切り替えてパーカッション・ソロを行うなど、その多彩なプレイに大きな拍手が湧き上がっていた。

 
     
 

今年で18回を迎えたコンピューター・ミュージックの登竜門イベント「力作コンテスト」の表彰式が、サウンド・スパークのメインステージで行われた。母親と子供のピュアな絆を表現した作品『Pure』でグランプリを受賞した坂田憲治さんをはじめとする各受賞者に、審査員長の浅野孝己氏や、篠田元一氏、古代祐三氏、寺島明人の各審査員から賞品が贈呈された。

「2,300曲を越える応募曲のすべてに、音楽に対する強い気持ちや、メッセージ、そして人間だけが感じる心の豊かさを感じた(浅野)」、「かつては打ち込みテクニックを競っていた力作コンテストも、今ではすっかり音楽性が重視されるようになった(篠田)」という審査員の言葉の通りに、いずれの受賞作品も音楽性の高い名曲揃いであった。

授賞式後には浅野氏と篠田氏によるスペシャル・ライブも行われ、音楽の楽しさと素晴らしさを改めて感じた祭典であった。

 
     
 

バグルス、イエスに在籍し、現在もエイジアのキーボーディストとしてワールドワイドに活躍中のミスター・ジェフリー・ダウンズが、サウンド・スパークのために来日! ローランドの最新シンセで奏でる名曲の数々で、満員の観衆を魅了した。

2台のV-Synthをフロントに構え、右手にはFantom-Xと本日初お披露目となるVP-550、左手には同じくニュー・マシンのSH-201JUNO-Gというゴージャスなセッティングだ。ニューアルバム『Bridge』のインスト曲からスタートしたライブは、いずれの曲もこの日だけのスペシャル・バージョン。シーケンスやボーカルトラックを流しながら、ジェフリーならではの繊細で美しいメロディーを重ねていくといったプレイ・スタイルで、エイジアの『Cutting It Fine』や『嘘りの微笑み』、イエスの『光陰矢のごとし』といった、ファンには涙モノのナンバーが次々と演奏された。

ライブのラストは、VP-550を使って自らボーカルを取ったバグルスの大ヒット曲『ラジオスターの悲劇』で締めくくられた。ライブ終了後には、急遽サイン会が行われるといったサプライズもあり、会場全体がおおいに沸いたステージであった。

 
     
 

水野正敏(B)、大徳俊幸(Pf)、東原力哉(Dr)という、個性派ミュージシャンが一堂に会した異色のジャズ・ピアノ・トリオ『3×3』。この日は"fragile"や"Fazjaz.jp"で技巧派ギターを奏でる矢堀孝一(Gt)をゲストに迎え、ローランド/ボスの最新デジタル・ギアによる白熱のセッションを展開した。

軽快で深みのあるグルーヴを支える水野氏は、V-BassD-Bassのシステムを使用。大徳氏は、Fantom-Xに新製品のSRX-12“Classic EPs”を搭載し、全鍵サンプリングの太いエレピ・サウンドでハービー・ハンコックの『バタフライ』を披露した。また、V-Guitarの名手である矢堀氏は、ステレオ・モニターAC-60をセッティング。そのナチュラルな特性を活かして、歪み系の音色からクリーン・トーンまで、さまざなまタイプのギター・サウンドをAC-60のみで響かせていた。

そして一番の盛り上がりを見せたのが、V-DrumsHandSonic 10で強烈な"力哉ビート"を轟かせた東原氏のパフォーマンスだ。中でもHandSonic 10は非常にお気に入りの様子で、銅鑼やクラクションなど、普通のピアノ・トリオでは耳にすることのないサウンドを効果的に演奏に取り入れていた。「FAXやメールができなくても簡単に使える(東原)」と周囲の笑いを誘いつつ、そのプレイから新しいジャズの可能性やデジタル楽器の面白さを十二分に感じ取ることができた。